二戸長屋のCB公住リノベ「いかすいえ」PART-Ⅱ

□テーマ 「二戸長屋のCB公住リノベ「いかすいえ」PART-Ⅱ
□邸 名 「Y邸リノベーションプロジェクトⅡ」
□建築概要
・築 年数:51年
・構  造:鉄筋CB造 平屋 二戸長屋
・延床面積:61.254㎡(18.5坪)

3年前に手前一戸をフルリノベーション行い、一年置いて昨年に奥一戸のリノベーションを行った“Y邸の建築ルポ”をご紹介致します。

□今回のリノベーションのポイントと工夫
今回は外部及び断熱改修を含めたフルリフォームは行わず内部改修に留め、使用頻度の少ない室内空間をフルシーズン多目的に活用できる事を優先し、2期工事の含みを持たせた柔軟なリノベーションとしました。

□施工写真

左:床・天井(柱撤去:梁補強部)  右:床下:防湿シート敷込の上に乾燥砂押さえ

床は全て解体し、大引き・土台等の腐食部は交換し、土間からの湿気防止のための防湿工事を行いました。             

□内部リノベーション
比較できるようにビフォー・アフターで紹介します。

左:玄関:ビフォー      右:アフター

床は無垢のパイン材、壁はオガファーザー仕上げ。
巾木・木枠・台輪は既設のままいかしています。

左:玄関からDL:ビフォー  右:アフター

DK8帖+和室4.5帖+押入1.5帖の間仕切りを撤去し、DL14帖のワンルームを実現。

左:ビフォー:和室4.5帖+押入1.5帖  右:アフター:DLワンルーム14帖

既設の窓枠・隅柱・付鴨居・台輪はできるだけそのまま活かして“ヴィンテージ感をいかす”様にしました。
新築にはないリノベーションならではの味と思います。

左:ビフォー:和室4.5帖からDL  右:アフター:LからD・BR

現在、仮設的に灯油ストーブを集合煙突繋いでいますが、2期工事時に集合煙突を撤去し薪ストーブに切り替える計画になっています。

左:ビフォー:和室6帖(タタミ撤去)   右:アフター:洋室6帖

洋室6帖はDL14帖とワンルームとして使用でき、20帖の多目的にもなります。
ロフトを設けたので、カーテンを閉めるとワンルームながら2人用のBRとして区分することできます。
押入れも襖と共にそのままいかすことができ、元々あったロフト上部の天袋収納も便利にぴったりとハマったと思います。

左:ビフォー:DL8帖     右: アフター:洋室6帖からDL14帖

開口部に建具もしくはカーテンを設けると洋室6帖の個室になりますが、まずは20帖で多目的に活用します。
大壁にはない真壁(和室)の木を活かしたデザインがリノベーションの素敵なところです。
50年経過した木部の飴色がなんとも言えません。

左:ビフォー:DLから和室4.5帖・キッチン 右:アフター:DLから玄関・キッチン・水回り

今回使用した木製建具は、既設の建具に収集しているアンティークガラスを嵌め込み、ドアノブを新たに取替えたものを再活用しています。

左:ビフォー:51年前の公団型のキッチン  右:アフター:3帖のキッチンに収まるオーダーキッチン

3帖の中に2層シンクキッチン(下部にグリストラップ・冷蔵庫収納)・バックに食器棚、そして右奥に手洗いを設けています。
営業時の保健所対応の厨房になっています。

左:ビフォー:据え置き式のポリバス  右:アフター:総タイル張りの洗面・シャワー室

2期工事の外断熱工事までの対応として、全て露出配管とし、採暖・水落としに対応した給水・給湯工事にしています。

今回、天井に関しては屋根断熱の勾配天井(小屋組み現し)を保留し、2期工事の時に再考すことになっています。
リノベーションを今回の様に十分な戦略を持った上で段階的に行う事も有りと思います。

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