■物件概要
●物件概要
・建築概要:木造2階建
・築年数:築51年(増築部分築30年)→購入20年前
・延床面積:43.25坪(1階37.25坪+2階6.25坪)
・改修面積:21.50坪(1階15.25坪+2階6.25坪)
・居住者:夫婦2人(60才・61才)
・工期:2カ月(2023.10.15~12.18)
■相談内容
●相談内容
・築51年の居住部分がとにかく寒い。
・増築部分は問題ないので「築51年の居住部分」だけ“暖かくしたい。
・地元工務店に相談したが暖かくするのは無理と断られあきらめていた。
■現調
●現調
・外壁:GW16k50㎜充填
・床:断熱材無し
・天井:断熱材無し
・下屋:断熱気密無し
・窓:AW引き違い単板ガラス+木引き違い内建具単板ガラス
:樹脂ペアガラス
:勝手口:木製単板ガラス
・ドア:玄関:AD引き違い単板ガラス
:勝手口:AD腰パネル+単板ガラス
■床解体→基礎断熱の選択
●床解体のメリット
1,防湿:防湿シート施工可
2,断熱:SF敷込施工可→床面温度○
3,気流止め:オープン施工可
4,構造:劣化確認・補強工事可
5,断熱区画:基礎内断熱工事可
6,電気:隠蔽配線工事可
7,設備:劣化確認・改修工事可
■天井解体→下屋・天井断熱気密の選択
●天井解体のメリット
1,断熱:下屋・天井オープン施工可
2,気密:下屋・天井オープン施工可
3,気流止め:オープン施工可
4,構造:劣化(漏水)確認・補強工事可
5,断熱区画:小屋裏施工可
6,電気:配線隠蔽工事可
7,設備:劣化・保温確認・改修工事可
■断熱改修1
■断熱改修2
■断熱改修3
■断熱改修4
■断熱改修5
■断熱改修6
■断熱改修7
■断熱改修8
■現場発泡ウレタン気流止めのメリット
●SF+現場発泡ウレタンのメリット
1,SF:一般流通品・在庫あり・バラ買い可・施工性良(切断カッター)
2,現場発泡ウレタン:一般流通品・在庫有り・バラ買可・保管場所不要・コスト良
3,SF+現場発泡ウレタン:壁厚、間柱間隔、使用箇所、形状を選ばない
■施主の感想
1,和室A:電気ヒーターのメモリを小さくでき直ぐ暖かくなる
2,廊下:以前は外のように寒かったがビックリするくらい寒くなくなった
3,2階和室縁側:樹脂の引き違い内窓ペア硝子を新設した、既設4枚引違アルミ単板ガラスの結露がひどい!
※原因:暖房方式(灯油ヒーター)+既設4枚引違アルミ単板ガラスの組み合わせ
※対策1:電気ヒーターに替える→電気容量確認
※対策2:既設窓を樹脂トリプルガラスに取り替える→窓リノベ利用
4,トイレの24時間換気扇を使用すると床換気ガラリから冷気が入ってくるので止めている
※対策:使用時は止める
■暮らしのメカニズム
●基本
・寒地住宅:高気密・高断熱・計画換気・全館暖房の4点セット必至
●実施
・S 邸:低気密・高断熱・個別換気・個別暖房
※気流止め、下屋断熱気密
・断熱は暖房にあらず→外気温の侵入・内部温度の流失を防ぐ→故に暖房必
・暖房+換気の改修計画が不可欠
■考察
●1階床、1階、2階天井解体の意義
1,気流止めが工法を選ばないで確実にできる
2,オープン工法なので施主、設計管理、施工者
が共有できる
3,施工状況を目視でき写真等記録に残すことができる
4,概算、実施見積もりが確実にできる
5,職種が大工だけ、1人で施工できる
6,気流止め、断熱改修以外に床下・天井小屋裏の建築・
電気・設備の問題解決のチャンスが生まれる
7,基礎内断熱で水回り凍結防止になる
■部位別気流止め提案
●1981年以降の建物・100㎜断熱住宅
断熱仕様ケース1
1,既設床・壁・天井:GW100㎜断熱
2,気流止め無し
3,下屋断熱気密無し
気流止めケース1
●ステップ1 1階天井解体→1階壁上部、2階壁下部気流止め+下屋断熱気密施工
●提案
壁上部or下部1箇所の気流止め施工→効果有り
※1階床解体省く
※1階天井解体だけで1・2階気流止め施工可
※下屋断熱気密施工可