6月の北海道は、梅雨が無く気温から言っても一番過ごしやすい気候になります。
夏至を迎え、昼が一番長く日がなかなか落ちない時期を活かし、
しばらくぶりに室蘭をロケハンする事にしました。
PM5:00からで充分OKです。
室蘭は以前から『錆彩の街』のテーマで長年撮りためている所です。
近年、工場夜景がブームになりナイトツアー等が行われていますが、
私は時間経過の象徴である“錆び”に惹きつけられ、
産業遺産として工場群を捉え、ロケハンを楽しみとしています。
年々朽ちる建物は排除され、
立ち入り禁止箇所も増えて撮影が厳しくなるのですが、
『錆彩の街室蘭』の今をご紹介致します。
白鳥大橋を渡って右に折れるとエンルムマリーナですが、
左に曲がると釣船が集積している基地があります。
工場群のオアシスのよう!
住居の位置づけが「釣りバカ日誌」の世界のようです。
ノコギリ屋根と錆びのパッチワークのデザインが美しい!
私の中では「錆彩の街室蘭」を象徴するNO-1の建築物です。
特に現役である事がたまらないです。
国鉄の時代、タール入りクレオソート加圧注入の枕木を作っていた工場。
JRの時代になり枕木もコンクリートに…
まさに産業遺産と思います。
排気塔が青空に映えます。
残念ながら使われていない工場。
でも… 廃墟のなかにも美しさを感じます。
この周辺の埠頭には様々な種類の屑鉄が集積されています。
興味があったので調べてみると、
国内で取り扱われた鉄スクラップの76%が電気炉で甦り、
残りは転炉での製綱用や鋳物用として消費されたり海外へ
輸出されているとあります。
リサイクルが進んでいる事にびっくり!
船を見て、
積み込んでいるのか降ろしているのか?
どこから持ってくるのか?又はどこに持っていくのか?
疑問だったのですが…
今回、日本が米国、英国に次ぐ世界第3位の鉄スクラップ輸出大国である事が解り、
この船は積み込みで中国・韓国などに行くと言う事を知りました。
白鳥大橋をバックに室蘭港らしい風景を切り取ってみました。
新旧の建造物がマッチしていると思います。
何と言っても室蘭港のシンボルは高炉がある日本製鉄室蘭製作所です。
高さ180mの煙突から出る赤い炎は圧巻です。
今回は美しい“室蘭らしい風景”を切り取ってご紹介しました。
間違っても“さびれた風景”と勘違いしないで下さい(笑)